税理士の経営・財産・相続トピックスVol.079「企業の『しぶとさ』」
大相撲春場所が無観客となり、その影響でしょうか、昭和47年初場所の横綱北の富士と関脇貴乃花(当時)の名勝負の解説番組が放送されました。
昭和の名大関と呼ばれる貴乃花の「伝説の一番」です。貴乃花の強靭な足腰、「膝から下に魂が宿る」と解説者のコメント。外掛けで倒されながら放った捨て身技に、「つき手か?かばい手か?」の大論争。食い下がる「しぶとさ」が貴乃花は違った、相撲の勝負とは奥が深いのだなぁと実感します。
企業の「しぶとさ」は何になるのだろう。新型コロナウィルスの影響で、飲食が厳しい、観光やホテルは壊滅的で京都では人がいない、外国からのインバウンドが多くの売り上げを支えていたことが改めて表面化しています。欧米、中国の影響で資材は入らず、現地生産が止まり部品の供給が途絶える。人と物の動きが止まった、企業の業績ダウンが与える影響は甚大です。
それでも持ち堪える企業の「しぶとさ」は何か。新型コロナウイルスは誰も想像もつかない災害。想像もつかない災害であっても、企業が社会貢献する存在なのであれば、持ちこたえなければなりません。
政府は対策をします。対策の目玉は減税です。減税ということは利益が出て税金を払っていなければ減税にならないのです。無利息であっても無担保であっても融資は借金、返さなければなりません。返済は利益が出なければ出来ません。降ってくるお金は無限に続かず、あてに出来ず、根本的な解決にはなりません。
柔道で毎日、毎回、必ずする稽古は受け身の練習。負けたときの練習をベテランになっても必ずします。事業においても負けたときの「受け身」に相当する準備が常に必要なのです。
そして企業の「しぶとさ」とは、どんな時でも利益を出すことです。
2020年4月1日
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
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事業・国際税務
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